横綱戦
絶好調の勇工業速人号に対し、前軽量級チャンピオン柿乃花が敗戦の後遺症を払拭し復活となるか注目された。
先に入場したのは勇工業速人号、「どこからでも来い!」とばかりに待ちうける。
遅れて柿乃花が入場。すぐさま仕掛けたのは柿乃花。
積極的に前に出でワリ・ツキを「これでもか!」とばかりに見舞うと、「ウォー」という歓声が響き渡る。
勇工業が受け返すと独特の角が柿乃花のマキ(眉間を)貫く。
柿乃花はたまらず、横に回りこみながら押し込んで前に出るが、難なく勇工業が残して逆に押し返す。
再びツキの応酬になるが、柿乃花が間合いを詰めるほど勇工業の角が有効打となる。
柿乃花が及び腰なり、ここぞとばかりに勇工業が前に出ると、横向きになった柿乃花はそのまま敗走。
対戦タイム52秒。濃密な闘いではあったが、あっけなく勇工業速人号が6連勝目を手中にした。
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横綱戦を制した勇工業速人号(6連勝)
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勇工業速人号vs柿乃花
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勇工業速人号の速攻
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大関戦
先に入場して待ち構える大龍王。後から荒岩王バチーが入場。
角を合わせると同時に、あいさつとばかりに大龍王が相手の角を思いっきり突き上げ、「ガツーン」という音が会場に響き渡る。
そのまま突進してくる大龍王に対し、体重差がもろに出るのか必死にこらえるの精一杯の荒岩王。
柵際まで押し込まれながらもどうにか残し、回りこんで隙を伺う。
それでも大龍王のパワーは衰えることなく荒岩王を攻めこむ。二度目もどうにか残したが、三たび横向きにされると角を合わせる様子がなく、勝負あり!対戦タイム7分13秒。
完全に自分のペースで試合運びをした大龍王がデビュー2連勝を飾った。
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荒岩王バチーvs大龍王
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大龍王の開始早々の攻め
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大龍王が再三攻めこみ荒岩王バチーを横向きに
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関脇戦
ともに沖縄からトレードされた同士の徳之島デビュー戦。
志天龍アヨーが先に入場し、後から赤狼が入場。互いに殺気漂う仕切りから静かに角を合わせる。
互いに相手の出方を伺いながらのツキ押し・カケ押しのやり取りが続く。
ドームという独特の雰囲気の中では、稽古どおりの力を発揮しえない場合もあるが・・・と思われた矢先である。
4分半を過ぎたあたりで赤狼がカケからの速攻で一気に志天龍アヨーを柵に張りつける。
後ろわき腹あたりに穴を空けられ、うめき声をあげる志天龍アヨー。勝負ありかと思われたが、そのまま回りこんで来て対戦継続。それもつかの間再び赤狼が速攻で押し込むと、たまらず敗走。
対戦タイム5分11秒。赤狼が得意の速攻で徳之島デビュー戦勝利を収めた。
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志天龍アヨーvs赤狼
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赤狼の速攻で押し込まれる志天龍アヨー
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赤狼の腹取り
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赤狼(元辺土名アコー、徳之島デビュー戦1勝)
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若手特別戦
この日の大会で最も会場を沸かせたといえる、幸治花形対黒天龍裕太号戦。
互いに組むなり、ワリ・ツキの応酬。そのまま攻勢をかけようと首取りが腹取りを狙い合うと、ドームの土俵を目一杯使って動き回る。ガツーン・ガツーンと角や頭がぶつかり合い、息をもつかせぬ攻防を繰り広げる両牛。
5分過ぎたあたりで、黒天龍裕太が少々引き気味に相手の様子を伺うそぶりを見せる。勝ち星の数から言って幸治花形が有利か?すると互いに頭を下げて角を有効に使いワリ・ツキを繰り出すため、双方の頭は真っ赤に染まり出す。
評判通りの闘いをする両牛。9分を過ぎたあたりで呼吸が荒くなってくる。
そこで前に出たのは黒天龍裕太号。押して腹取りに行こうとすると、相手が下がり気味になる。
二度・三度と攻めこむとそのまま幸治花形が戦列を離れた。
対戦タイム10分11秒。黒天龍裕太号が技能賞を獲得し連勝記録を一つ伸ばした。
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幸治花形vs黒天龍裕太
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腹の取り合い
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目の離せない攻防
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幸治花形が敗走。黒天龍裕太(2連勝)
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