「康貴大力」は、2009年5月の大会に19分余りで勝利しデビュー戦を飾った。昨年6月の大会では、体重で上回る相手の重い押し込みに苦しめられたものの、踏ん張り続けて11分余りで勝ち星をもぎ取り、中量級チャレンジャー候補として名乗りを上げた。
同年10月の中量級優勝旗争奪戦では、当時のチャンピオン「亀山工業若力」に対し序盤から果敢に前に出て攻め続け、20分過ぎに有無を言わせぬ押し込みを決め悲願の優勝旗を獲得。今年1月の防衛戦では6連勝中のベテラン「誠龍輝」の挑戦を受けるも、20分を越える長期戦で相手を舌出しに持ち込み、見事に初防衛を果たした。
チャンピオン2度目のタイトル防衛阻止を狙う「白宝」は、かねてより中量級優勝旗の挑戦牛と見られていた。08年4月末の大会で見事な速攻を見せつけ、2分弱で前評判の高い相手に勝利し、一気に評価を高めた。昨年5月大会では横綱戦に出場。「戦闘チャネル」との体重差を跳ね返す打倒しにより2分21秒で勝利し、新重量級優勝旗を獲得。今年1月大会は不戦勝で勝ち星を伸ばし、満を持しての中量級優勝旗挑戦だ。ツキ、カケ、速攻の3拍子が揃った技牛として知られている。
序盤は互いの出方を見るような攻防が展開されるだろうが、チャンピオン康貴大力は、体重差を生かして相手の得意技を防ぎ、徐々に自分のペースに持ち込んで行くであろう。スタミナを奪い足下が軽くなったところを見計らい、体重を乗せた押し込みで相手を横向きにさせ、間髪いれず腹取りを決め勝負ありとしたい。
対する白宝は、得意のツキ技を見舞いながら前に出て、相手を慌てさせることが出来れば狙い通りだ。勢いよい角を相手の顔面にヒットさせ、ひるんだ隙にスピードあふれる腹取り速攻で仕留めたいところ。
勢いに乗る両牛だけに、リングを目いっぱい使った双方の得意技の応酬が繰り広げられ、時間が経つのも忘れるぐらいの激戦となるであろう。優勝旗の行方や如何に。
|